・『遊戯王ZEXALⅡ』のSSです。
・時間軸は璃緒が初デュエルした本編の79話から数日後辺りと考えています。
・遊馬×小鳥のカップリング要素が少しだけあります。苦手な人は注意して下さい。
・後半にちょっとしたデュエルがあります。
放課後……
小鳥「ちょっと、遊馬。何1人で勝手に帰ろうとしてるのよ?」
遊馬「まだ帰らねえよ。これから鉄男達と広場に行ってデュエルする事になってんだ」
小鳥「え? でも今日の放課後は私の買い物に付き合ってくれる約束でしょ?」
遊馬「あれ、そうだっけ? でも俺、今日は朝から滅茶苦茶デュエルしたい気分でさ……」
鉄男「おい、遊馬! 何してんだよ?」
真月「遊馬君、早く来ないとよかれと思って置いて行きますよ~(内なるベクター:『さっさとしろよ、この海老頭』)」
遊馬「ああ、今行く! つー訳で悪いな、小鳥。買い物はまた今度な~」ノシ
小鳥「ちょ、待っててば……もう!」
…………
小鳥「何よ、遊馬ったら! デュエル、デュエルって……私との買い物なんてどうでも良いって訳!?」プンスカブックス
小鳥(そりゃ遊馬にとってデュエルが特別なのは知っているけど、たまには私の事だって……)
小鳥「もう、遊馬もデュエルも大っ嫌いなんだから!!」
「――人通りが少ないとはいえ、こんな道端で大声を上げるのはレディとしてどうかと思いますわよ?」
小鳥「きゃあ!? り、璃緒さん?」ビクッ
璃緒「ごきげんよう、小鳥さん。何だかご機嫌斜めみたいですわね」
璃緒「成る程、つまり遊馬は自分のデュエルを優先して小鳥さんとの約束を反故したという訳ですわね」
小鳥「そうなんですよ。買い物の約束は前からしていたのに信じられませんよね?」
璃緒「まあ、彼は付き合いの短い私の目から見ても分かるくらいの生粋のデュエル馬鹿みたいですからね。
いい加減なところもありそうですし、ありえない話ではないだろうなと思うのが正直な感想ですわ」
小鳥「それはそうなんですけど……」
璃緒「ふふっ、どうやら小鳥さんは嫉妬しているみたいですわね」
小鳥「嫉妬?」
璃緒「そうですわ。小鳥さんは遊馬との大事なデートをキャンセルさせたデュエルに嫉妬しているんです」
小鳥「デ、デートって! いえ、行こうとしていたのはただの買い物であって、決してそんなんじゃ!?///」アタフタキオン
璃緒(判りやすい反応ですわね)ニヤニヤ
璃緒「小鳥さん、私はデュエルには人を惹き付ける魔力の様なものがあると考えていますわ。
デュエリストなら尚更、それに引きずり込まれてしまうものです」
璃緒「私もデュエリストだから、デュエルを優先してしまった遊馬の気持ちも実のところ分からなくもありませんの。
勿論、それが小鳥さんとの約束を反故する理由にはなりませんけどね」
小鳥「デュエルってそんなに凄いものなんですか?」
璃緒「ええ、特にデュエル馬鹿である遊馬を小鳥さんに振り向かせるには、並大抵の事では難しいでしょうね」
小鳥「いえ、振り向かせるとかそういうのは別に……」
璃緒「そうですわ。小鳥さんもデュエルを始めると良いんですわよ」
小鳥「へ? 私がデュエル、ですか?」
璃緒「小鳥さんにとってデュエルは遊馬をめぐる恋のライバルと言っても過言ではありませんわ。
なら勝つ為にも、そのライバルの事を良く知っておいた方が良いと思いますの」
小鳥「こ、恋のライバルって!?///」
璃緒「それにシンプルな話、共通の話題があれば男女の仲というのは自然と近付くものですわ。
小鳥さん、遊馬と楽しくデュエルとかしたくありません?」
小鳥(私が遊馬と楽しくデュエル……)
…………
パパーパパー♪ パーパパパ、パパーー♪
小鳥『受けてみなさい、遊馬! これが私のダイレクト・アタックよ!!』コトリファイヤー!
遊馬『うわーぶっとビングだぜ、俺ー!!』ゴロゴロットン
小鳥『あ、ちょっとやり過ぎちゃったかも……大丈夫、遊馬?』
遊馬『これくらい平気だぜ! それにしてやっぱり小鳥とのデュエルは最高だな!!』
小鳥『うん! 私もだよ、遊馬♪』
…………
小鳥「ちょっと……したいかな」
璃緒「ですわよね! なら小鳥さん、貴女も今日からデュエリストになりなさい!」
小鳥「でも私、カードとか全然持ってませんよ? デュエルのルールも詳しくは知らないし……」
璃緒「カードなんてショップに行って揃えれば良いだけの話ですわ。
それにデッキ構築やルールなら私がきっちり教えて差し上げますわよ」
小鳥「璃緒さんが? 良いんですか?」
璃緒「何を言ってますの? 前に貴女の方から頼んで来たんじゃない?
私にデュエルを教えて欲しいって」
小鳥「あっ、そういえば……」
璃緒「安心なさい。私の手に掛かれば一週間で、小鳥さんを遊馬と互角に戦えるだけのデュエリストに育て上げてみせますわ」
小鳥「い、一週間? さすがにそれは難しい気が……遊馬も何だかんだでデュエル歴は長いし……」
璃緒「この神代璃緒に不可能なんてありませんわ。そうと決まれば早速ショップに行ってデッキのカードを揃えますわよ。
私、良いお店を知っていますの」
小鳥「今からですか? ちょ、いきなり引っ張らないで下さいよ~」
小鳥(何だか璃緒さんに流されるままに話が進んじゃったけど……本当に私にもデュエル、始められるのかな?)
九十九家・夜……
遊馬「いやー今日のデュエルは楽しかったな~♪」
遊馬「最近は鉄男にもたま~にだけど勝てる様になって来たし、俺のデュエル・スフィンクスも結構成長して来たって事だな」ウンウン
アストラル「それを言うならタクティクスだ。それにしても今日は良かったのか?」
遊馬「ん? デュエルなら楽しかったって言ったばっかじゃねーか?」
アストラル「デュエルの事ではない。小鳥の事だ」
遊馬「小鳥? 何かあったけ?」キョトン
アストラル「……今日、君は小鳥と放課後に買い物に行く約束をしていたはずだ。それは私もちゃん記憶している」
アストラル「にも関わらず、君はその約束を破り鉄男達とのデュエルを優先した。
その事に対して、何か思う事はないのかと聞いているのだ」
遊馬「ああ、そういやそうだったな……まあ、でも大丈夫だろ」
アストラル「そうなのか?」
遊馬「そりゃ少しは怒っているかもしれないけどさ、あいつもこれくらいの事ならそんなに気にしないって。
買い物なんてまた何時でも行けば良いだけの話だしさ」
アストラル「遊馬」ズイッ
遊馬「うわっ! 何だよ、急に顔を近付けて……気持ち悪いな~」
アストラル「私はまだ人間という生き物の全てを知っている訳ではない。しかしそれでも君達の事なら多少は理解しているつもりだ」
遊馬「は? いきなり何だよ」
アストラル「君と買い物の約束を取り付けた時、小鳥はとても嬉しそうな顔をしていた」
アストラル「君は随分彼女との約束を安く考えていた様だが、彼女も君と同じ気持ちで約束をしていたとは私には思えない」
遊馬「うっ……」
アストラル「もっとも、小鳥との付き合いの長さは私より君の方がずっと上だ。
君が大丈夫というのなら本当に大丈夫なのかもしれない」
アストラル「だが君が今日約束を破った時、小鳥はとても悲しそうな顔をしていた。少なくとも私にはそう見えた」
遊馬「分かった、分かったよ! 明日ちゃんと謝るし、埋め合わせもちゃんとする!!
それで良いだろ?」
アストラル「別に私は君に謝罪を要求した訳ではない。しかし君がしたいというならそうしておいた方が良いだろうな」
遊馬「何かお前、最近変わったよな。まさかデュエル以外の事でお前から説教されるとは思わなかったよ」
アストラル「別に説教などしたつもりはないのだがな」
遊馬「あー何かムシャクシャするなー……そうだ、今日パックで当てたカードでもデッキに組み込もうっと」ガサゴソ
アストラル(変わった、か。確かにそうかもしれない)
アストラル(少し前まではデュエルと自分の記憶の事にしか興味がなかったはずなのに)
アストラル(これも遊馬や小鳥達と接したのが原因、なのだろうか?)
翌日……
遊馬「ふあぁぁぁ~」
アストラル「眠たそうだな、遊馬」
遊馬「昨日は遅くまでデッキを弄ってたからな……お前は一緒に起きていたのに眠くないのかよ?」オメメショボショボマー
アストラル「忘れたのか? 私は元々眠らない」
遊馬「そういやそうだったな……ん?」
小鳥「…………」トボトボ
遊馬(小鳥だ。あれ、何か朝から暗そうだな?)
遊馬(まさか昨日の事で落ち込んでんのか? いや、これくらいの事で凹む奴じゃ……)
遊馬(でももしアストラルの言う通り、昨日の買い物をすげー楽しみにしていたとしたら……)
遊馬「…………」
遊馬(いや、別に心配してる訳じゃねーし。このままだと俺が落ち着かないだけだし)タッタッタッ
遊馬「小鳥、おはよう!」
小鳥「……おはよう」
遊馬(うっ、なんか微妙に素っ気ない気が……やっぱり怒ってんのか?)
遊馬「何だよ、朝からテンション低いぜ! もっと元気に行こうぜ! かっとビングだ、小鳥!!」
小鳥「……遊馬、お願いだから耳元で騒がないで。頭に響くから」ズキズキ
遊馬「お、おう。悪い」
遊馬(まずい、これは怒ってる。俺の想像よりずっと怒ってる……)
小鳥(デュエルの基本ルールと用語を覚えただけで頭痛くなっちゃった。
璃緒さんは慣れれば大丈夫って言ってたけど……デュエルがこんなに頭を使うものだなんて思わなかったわ)
小鳥(でも遊馬とデュエルする為にも頑張らなきゃ)
遊馬(これは早いとこ機嫌直させないと……そうだ、昨日アストラルにも言った買い物の埋め合わせだ!)
遊馬「なあ、小鳥。お前、今日の放課後は暇か?」
小鳥「暇じゃないわよ」
遊馬「よし、暇じゃないんだな。なら俺と……って何か用事あんのか?」
小鳥「うん、ちょっとね」
遊馬「そ、そうなのか。一体何の用だよ? 良かったら俺にも教えてくれないか?」
小鳥(頭が痛い時に限ってやけに聞いて来るわね。でも璃緒さんにはギリギリまで教えない方が良いって言われてるし……)
小鳥「遊馬には関係ない事だから気にしなくて良いわよ」
遊馬「…………」
遊馬「あ、あのさ、小鳥? お前やっぱり昨日の事怒って……」
璃緒「小鳥さ~ん」ノシ
小鳥「あ、璃緒さん! ごめん、遊馬。私、璃緒さんと話す事があるから先に教室に行ってて」ノシ
遊馬「えっ、ちょ! 小鳥!?」
遊馬「……行っちまった。何だろう? 何か胸の辺りがすげーもやもやするんだけど?」
アストラル「――『そりゃ少しは怒っているかもしれないけどさ、あいつもこれくらいの事ならそんなに気にしないって』」
遊馬「うぅ!?」
アストラル「『買い物なんてまた何時でも行けば良いだけの話だしさ』……どうやら何時でもは無理の様だな、遊馬」
遊馬「うぐぐぐ……」
遊馬「も、問題ねえよ! あ、あいつと喧嘩するなんてこれが初めてじゃないんだ、すぐに機嫌も直るさ!」
アストラル「声が若干震えているのは私の気のせいか?」
真月「遊馬君、おはようございます~♪(内なるベクター:『けっ、相変わらず馬鹿面しやがって。あーぶっ殺してえ』)」
遊馬「お、おう、真月おはよう! さあ、早く教室に行こうぜ!」
遊馬(だ、大丈夫だ。さすが放課後までには解決しているはず! そうに決まってる!!)
放課後……
遊馬「……結局1日素っ気ないままだった」orz
アストラル「遊馬、そんな所で蹲っていると膝が汚れると思うのだが?」
遊馬「授業中は仕方ないとしても、昼飯の時間も休み時間も掃除の時間も素っ気ないままだった……こんなの初めてだぜ」
アストラル「相当凹んでいる様だな」
遊馬「当たり前だろ……付き合い長い奴に冷たくされたら普通凹むって……」
アストラル「だが小鳥にそうさせたのは君の責任、自業自得というものだ。
それに君は昨日、小鳥にちゃんと謝罪すると言っていたのに未だにその言葉を述べていないではないか」
遊馬「そりゃ俺も早く謝った方が良いのは分かってるんだけどさ、何かそのタイミングが無かったんだよ。
授業終わったらさっさと1人で帰っちまうしさ」
アストラル「そういえば放課後に何か用事があると言っていたな。一体その用とは何だったのだろうか?」
遊馬「知らねえよ、教えてくれなかったんだから……くそ、明日は絶対に謝ってやる。意地でも謝ってやるからな!」
アストラル「……ふむ」
公園にて……
小鳥「い、いきます! えっと、《フェアリー・チア・ガール》で璃緒さんのモンスターに攻撃します!」
璃緒「フッ、私は罠カード《ダイヤモンド・ダスト》を発動!
この効果によりフィールド上に存在する全ての水属性モンスターを破壊しますわ!!」
小鳥「水属性? でも私の《フェアリー・チア・ガール》は光属性ですから破壊されるのは璃緒さんのモンスターだけじゃ……」
璃緒「確かにこのままだとそうなりますわね。
けれどデュエルモンスターズは1枚のカードを他のカードと組み合わせる事で強力なコンボを発動する事が出来ますの」
小鳥「コンボ、ですか?」
璃緒「この様にね! 私はさらに永続罠《DNA移植手術》を発動!
この効果でフィールド上のモンスターを全て水属性モンスターに変更しますわ!!」
小鳥「私の《フェアリー・チア・ガール》が光属性から水属性に……という事は!?」
璃緒「そう、《ダイヤモンド・ダスト》の効果により私の《オーロラ・ウィング》と水属性となった《フェアリー・チア・ガール》は破壊されますわ。
さらに《ダイヤモンド・ダスト》はこの効果で破壊したモンスター1体につき、500ポイントのダメージを相手に与える!」
バリバリバリィ!!
小鳥「そ、そんな……きゃああああぁぁぁ!!」
観月小鳥 -1000ポイント LP900→0
神代璃緒WIN
璃緒「私の勝ちですわね」フフン
小鳥「うぅ、昨日からずっと負けっぱなし……私、デュエルの才能ないのかな?」ションボリチュア
璃緒「始めて2日目で何を言っていますの。むしろたった2日目でここまで戦えるなんて小鳥さん、相当才能がありますわよ?」
小鳥「そうなんですか? あんまり自覚は無いんですけど……」
璃緒「基本ルールもばっちりですし、エクシーズ召喚だってちゃんと出来ていますもの。
後はとにかくたくさんデュエルをこなす事ですわね。デュエルの腕は実践の中でこそ磨かれるものですから」
小鳥「何だか璃緒さんにそう言われると自信がつきますね。よし、もう1回お願いします!」
璃緒「小鳥さん、ちゃんとデュエルを楽しんでいるみたいですわね」
小鳥「え?」
璃緒「楽しむ事はデュエルをやる上で最も大切な事ですわ。だって楽しくなければ続ける事なんて出来ないんですから」
璃緒「小鳥さん、これだけ負けてもまだ私と戦おうとしていますでしょ?
それは小鳥さんがデュエルを楽しんでいるという証拠……教えている身としては私、とても嬉しく感じますわ」
小鳥「……確かにそうかもしれません」
小鳥「負けてばかりで悔しいという気持ちも勿論あります。
でもそれ以上にデュエルをやっているとドキドキしたりワクワクしたり……とっても楽しい気持ちになります」
小鳥「今なら遊馬があんなにデュエルに惹かれている理由も少しは分かる気がします。
もっとも、だからってそれで昨日の約束を破っちゃった事に関して許す気はないですけどね♪」
璃緒「ですわね。ならもっと強くなったらデュエルでその時の制裁をしてあげるのはどうかしら?」
小鳥「はい、ぶっ飛ばしてやります!」フンス
璃緒「その意気ですわ、小鳥さん」
…………
小鳥「璃緒さん、今日もありがとうございました」ペコリ
璃緒「大分暗くなって来ましたけど、本当に1人で大丈夫ですの? もう少し待てば凌牙が迎えに着ますから、家まで送って行きますわよ?」
小鳥「大丈夫です。まだ人通りも多いですし、家までもそんなに遠い訳じゃありませんから」
璃緒「そうですか。なら気を付けてお帰りになって下さいね」ノシ
小鳥「はい、また明日もよろしくお願いします」ノシ
小鳥(さて、帰ろっと……あれ? デュエルやってたら何時の間にか頭痛が治ってる)
小鳥(まだ2日目だけどデュエルの楽しさも分かって来たし、璃緒さんもお世辞だろうけど才能あるって言ってくれたし)
小鳥「もうちょっと頑張ったら遊馬とデュエル出来る様になるかな。エヘヘ♪」
小鳥「…………」
小鳥「……あれ?」
小鳥(ここ、何処だろう? 何で私、こんな薄暗い路地裏になんか居るの?)
小鳥「やだ、私ったら浮かれて変な道に入っちゃったのかな? とにかくここから出ないと……ん?」
小鳥(足元にカードが落ちてる? もしかして私が落としたのかしら?)ヒョイ
小鳥(えっ、何これ? モンスター・エクシーズみたいだけど何だか気味悪い。えっと、カード名は……)
小鳥「『No.』……え? 『No.』ってもしかしてあの!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
小鳥「きゃあ! なっ、何? カードから闇が……いや、いやああぁぁぁ!!」
小鳥(何かが、私の中に……入って……いや……)
小鳥(誰か、助けて……助けて……遊……)
…………
………
……
再び九十九家……
遊馬「う~~~ん」
アストラル「どうしたんだ、遊馬? さっきからジッとD・ゲイザーを睨み付けて?」
遊馬「いや、小鳥の事なんだけどさ、何か落ち着かないからもう電話で謝ろうかなと~思ったんだよ。
でもやっぱこういうのは直接会って謝った方が良い気もするんだよな……なあ、アストラル。お前はどう思う?」
アストラル「私に聞かれても困る。君の好きにすれば良いんじゃないのか?」
遊馬「うぅ、電話すべきか、明日まで待つか……今から小鳥の家に行くという手も……でも逆に迷惑掛けてさらに機嫌悪くしそうだし……」ブツブツ
アストラル(デュエルをしている時以上に頭を使っているみたいだな)
ピピピピピッ!
遊馬「うわっ!? なっ、何だ?」ビックリボー
アストラル「君のD・ゲイザーが鳴った音だ。誰かから電話の様だな」
遊馬「たくっ、こんな時に誰だよ……って、小鳥?」
遊馬「どうして小鳥から……あっ、もしかして今日素っ気なくして悪かったって逆に謝りに来たのかな?
ありうる! ありうるぜ、アストラル!」
アストラル「いや、今回の件は小鳥に非は全くないと思うが?」
遊馬「あいつはそういう奴なんだよ。そうか、そうか、あいつも悪いと思っていたんだな。ならこっちも謝り易いぜ、うん」
アストラル「君、あからさまに安心しているな。とりあえず出なくても良いのか?」
遊馬「おっと、そうだな。もしもし、小鳥。こんな時間に一体どうし……」
小鳥『…………』
遊馬&アストラル「…………」
アストラル(遊馬、画面に映っている小鳥だが、とてもこれから謝る様な雰囲気ではない様に見えるのだが?)
遊馬(俺もそう見える、何か暗いし……あれ? もしかしてまだ怒ってるの? まだ怒りビンビングなのか?)
※遊馬とアストラルは心の中でも会話する事が出来ます。
小鳥『遊馬……』
遊馬「な、何だよ? もしかしてまだ怒ってるのか? その事なら……」
小鳥『今からデッキを持って、公園まで来て』
遊馬「へっ、公園って何時もの所か? ていうかお前、こんな時間にまだ公園に居るのか?」
小鳥『…………』
遊馬「小鳥?」
小鳥『早く、来て……そして』
小鳥『――私と、デュエルしましょう』ニヤッ
ガチの天使族はマジ鬼畜