某所 某日 某時刻
??「…ここでおしまいだな」
ブルーノ「…く。な、なぜこんなことを…。ゆ、許さないぞ…」
??「そうだ。ブルーノ。…君には一つ、約束してもらわないといけないことがあるんだった」
ブルーノ「??」
??「…エターナルサイレンス。…永遠の静け」
ブルーノ「!?ま、まさか!?」
??「さようなら…ブルーノ。いや、アンチノミー」
ガッ!
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ユーセイ「やれやれだ。…ブルーノのやつ、俺のDホイールの整備まだかかっているのか?」
ユーセイ「そんなにマズイ状況だったのだろうか。…それにしても遅い」
イザヨイ「…だ、誰か!?誰かぁ!?」
ユーセイ「この声は…あ、アキ!?…どうしたんだ!?」
ガチャッ!
ユーセイ「!?…こ、これは」
イザヨイ「どうして……どうして……みんな大好き、ブルーノちゃんが…っ!」
ユーセイ「…ブルーノが…死んでる!?」
ガチャッ!
牛尾「そこまでだ!大人しくしろ!!」
ユーセイ「牛尾!…なぜここに!?」
ウシオ「今さっき向かいのホテルから連絡があってな…モンスターが人間を殺しているところをみた…とな」
ユーセイ「何っ!?…それって」
捜査官「牛尾刑事!…こんなものが」
ブルーノのダイングメッセージを法廷記録にファイリングした
ウシオ「…『アキ』と書いてあるな。…よし、そこの女を連行しろ!」
十六夜「え!?そ、そんな…わ、私じゃない!?た、助けて!?」
ユーセイ「アキ!…アキ!アキィィィィ!!!」
ウシオ「十六夜 アキ。ブルーノの殺害容疑で逮捕する!」
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某日 某時刻 ネオドミノシティ決闘裁判所控室
クロウ「…今日が、裁判だな」
ユーセイ「ああ」
クロウ「…しかし、なんでブルーノはアキの名前を書いたんだ…?いや、それ以前にどうしてアキは…」
ユーセイ「クロウ!」
クロウ「え?…ああ、すまなかった」
ユーセイ「…アキは、アキは……ブルーノを殺してなんかいない」
クロウ「え!?」
ユーセイ「裁判が始まるこの数日間。俺は必死に証拠品をあつめ、人の証言を聞いて回った。…それを今日、ここでぶつける」
クロウ「ぶつけるって…。お前、弁護なんかできんのかよ!?」
ユーセイ「ちょっと前にな。…それに今日は決闘者裁判だ。弁護士の資格がなくても、俺なら出れる」
クロウ「…それって、確か」
十六夜「決闘が複雑に絡んだ時のみに適応される裁判。審議の時間は短くて、とても速い」
クロウ「…アキ」
十六夜「普通の弁護士だと決闘に頭が回らないわ。だからこそ、決闘者が必要になるのよ」
ユーセイ「アキ……俺は必ず、お前を救う!」
十六夜「ユーセイ。…頼むから、イザヨイちゃんって呼んで」
クロウ「なんでだよ!?」
ユーセイ「なんでも~ヨイちゃんと呼ばれたいらしい」
クロウ「んだよそれ!…あーもう、聞く耳もたねー。ってか、そんなノロケ聞こえねー」
ユーセイ「嘘をつけ、人間には聞こえる音がヘルツでしっかりと決められているんだ…ペラペラペラ」
十六夜「とにかく…頼んだわ、ユーセイ。…私は、ブルーノを殺していないのよ」
ユーセイ「そもそも、ヘルツというのはだな…ペラペラペラ」
十六夜「きっと…私の事を殺人犯に仕立て上げようとした人が…真犯人のはずよ」
ユーセイ「ケータイでも300から3400ヘルツとだな…ペラペラ」
クロウ「その願いはこいつのうんちくを止めてからにしてくれ!」
十六夜「可哀想にユーセイ。…キンチョ―してるのね」
クロウ「んな呑気なこと言ってんじゃねー!」
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某日 某時刻 ネオドミノシティ決闘裁判所
カンッ!
ガクエンチョー「それでは、ブルーノ殺害事件について、審議したいと思いますが…おや?」
クロウ「…GXの学園長じゃねーか」
ユーセイ「色々と似てるだろ。ハゲ部分とか」
クロウ「だからって過去の人が…!まあいい。…あれ?向こう側のやつ、まだきてねーぞ?」
ユーセイ「どうしたんだろうか?…まさか、放棄したのか?」
ガクエンチョー「カカリイン!どういう…ふむ?…ふむふむ。…ふむ!」
クロウ「…は!どうせ相手がユーセイだとビビッて、逃げ出してるんだろ!」
ガクエンチョー「どうやら検察側は交通の便に異常がでてしまったため…遅れるようです」
クロウ「んだよ、それ」
ユーセイ「仕方ない。…そうだ、検察が到着する前に、こっちの証拠品をチェックしておこう」
クロウ「お、さすがだな!…で、どんだけあるんだよ?」
ユーセイ「一応…だな」
ブルーノのダイングメッセージ
アキの決闘盤
ブルーノの決闘盤
ブルーノの司法解剖結果
クロウ「…少なくね?」
ユーセイ「わがまま言うな。決闘盤情報を聞き出すには、かなり苦労したんだ」
クロウ「ふーん。…メッセージはともかく、他の三つを詳しく見ておくか」
・アキの決闘盤 ライフ3600
フィールド上
モンスター
TG ハイパーライブラリアン
魔法&罠
薔薇の刻印 レベル・クライム(伏せ)
墓地
手札断殺 スポーア ボルヘジ 奈落の落とし穴 サンダーブレイク 幻影コオロギ
ブラックローズウィッチ ナイトローズナイト ブラックローズドラゴン
手札
なし
・ブルーノ決闘盤 ライフ1600
フィールド
なし
魔法&罠
なし
墓地
TGラッシュライノ TGワーウルフ 強欲で謙虚な壺 貪欲な壺
手札
死者蘇生 TGサイバーマジシャン
・司法解剖結果
体に鋭利な刃物で一刺し。それが致命傷となり、大量出血死
クロウ「大体こんな感じか…」
ユーセイ「お互いにデッキの総数は40。エクストラデッキは残り14枚だったようだ」
キリュー「…ほお、そいつを今更見てるのか」
クロウ「お前…鬼柳!?…どうして!?」
キリュー「はっ!…呑み込みが悪い。俺は検察側に立ってるんだぜ、クロウ」
ユーセイ「まさか…検察ってのは」
カンッ!
ガクエンチョー「それでは検察側もきたようなので…。裁判を始めます!」
ユーセイ「鬼柳…。お前」
キリュー「さあユーセイ。…俺を満足されてくれよぉ!」
ガクエンチョー「それでは検察側、冒頭弁論を」
キリュー「ああ?なんで俺がそんなこと…ホントはあんたがやりたいことじゃないのか?」
ユーセイ「異議あり!…それは検察側がすることだ!…ってか、そのキャラは本家の5とかぶってるぞ!」
キリュー「まあ、それに似てるからここにいるわけなんだが…」
クロウ「んだとぉ!?」
キリュー「まあいい。…特別にしてやる。…被害者はブルーノ。チーム5D’sの一員だ」
ガクエンチョー「ほー。…そして、被告が」
キリュー「こちらもチーム5D’sの一員、十六夜 アキ…だ。仲間割れとはひどいぜ…」
ガクエンチョー「チームの仲間…ですか。複雑な事情があるのかもしれませんね」
キリュー「ああ。…噂では、とある男を巡って少し口論になることもあったようだ」
ユーセイ「!?…そ、そうだったのか…クロウ!い、一体誰を!?」
クロウ「さ、さあな…(お前だよ、色男!アニメでもアキが嫉妬してただろうが!)」
キリュー「そういう不満もあって…今回の決闘だ。おそらく、かっとなって、彼女の力でやっちまったんだろうよ」
ガクエンチョー「ち…力…と言いますと?」
キリュー「サイコさ」
ガクエンチョー「さ…さいこ…?……さいころのことですかな?」
ユーセイ「違う!(ニュースとかこの人は見ないのか…?)」
キリュー「サイコ決闘者…っていうらしいな。超能力を使い、相手を傷つける」
ガクエンチョー「な、なんと!?」
ガヤガヤガヤガヤガヤ
ユーセイ(ま、まずい…。今ので一気に全員騒ぎ出した…)
キリュー「そこで…決闘にも負けそうにはなるわ。男を独り占めされるわで…カッとなったってわけだ」
ガクエンチョー「ふむぅ。…そして、被害者はダイングメッセージを残した…と。しかしそれだけでは」
キリュー「分かってるさ。…今から、決定的瞬間を見た目撃者を召喚するぜ。…来な!」
ユーセイ(…証人……そして、証言。…これから始まるぞ、俺の仕事が!)
シェリー「……はぁい。やってきましたよぉ」
クロウ「異議あり!!!」
ガクエンチョー「…………………………ど、どうしました」
クロウ「どうしましたじゃねぇよ!なんだよシェリー!その喋り方は!」
シェリー「どうかしたんですかぁ?」
クロウ「…なんだ…何だって言うんだ!うおおおおおおお」
ユーセイ「お、落ち着け!クロウ!…お前がどうしたんだ!」
クロウ「いや、だからよぉ!!」
カンッ!
ガクエンチョー「それでは…改めまして。証人、名前と職業を」
シェリー「私はぁ…シェリー ルブランです!一応、復讐が職業ですー」
ガクエンチョー「ほっほ!復習ですか!私も学生の時はよくしたものです!」
ユーセイ(学園長…凄い勘違いをしているようだ。…だが、話を進める上では都合がよさそうだな)
キリュー「んじゃあよぉ!…証人。さっそくだが証言してくれ。…この事件についてだ」
クロウ「あんにゃろう…。調子にのりやがって」
ユーセイ「きっと…どこかに矛盾があるはずだ。そこを突く!」
シェリー「それじゃあ、いきますよー」
ガクエンチョー「ほほ、可愛らしいですな」
証言開始==========
シェリー「私、あの事務所のちょうど真向いのコナミホテルに泊まってたんですけど」
シェリー「外の風あびたいなぁ。と思って、窓を開けてみたんです」
シェリー「そしたら、そこの被告席の女が血相を変えて、被害者と決闘してたんです」
シェリー「モンスターをシンクロ召喚したら、すぐにズドーン!って攻撃してました」
シェリー「なんか普通の決闘と違うな…とすぐに思ったので、警察に連絡したんですぅ!」
クロウ「なんなんだ…なぜか、この証言…無性にムシャクシャしてくるぜ」
ユーセイ「ああ…見え見えの嘘…つきやがって」
クロウ「ああ!…え?う、嘘…?まじかよ!そんなの見つけたのかよ!?」
ユーセイ「ああ。…今の証言には、決定的な矛盾がある」
クロウ「すげーな遊星!」
ユーセイ「…ところで、お前は何にムシャクシャしていたんだ?」
クロウ「んなことはどうでもいい!さっさとその嘘暴いて、鬼柳とあの馬鹿女をボコボコにしてやろうぜ!」
ユーセイ「分かってる(…だがなんだ、あの鬼柳の余裕の笑みは)」
ガクエンチョー「それでは弁護人、尋問をお願いします」